2014.03.17(月)

北朝鮮による拉致被害者の横田めぐみさんの両親である横田滋さん(81)、早紀江さん(78)夫妻が、めぐみさんの娘、キム・ヘギョンさん(26)らと今月10~14日、モンゴルのウランバートルで、初めて面会していたことが分かった。 日朝両政府が今月3日、非公式協議を行った際に面会を実現させることで合意していた。複数の政府筋が15日、明らかにした。
面会には、めぐみさんの夫とされる金英男キムヨンナムさんも同席した。横田さん夫妻は、ヘギョンさんとの面会をかねて希望しており、日本政府が水面下で北朝鮮側と調整を進めていた。ただ、「北朝鮮側に利用されかねない」として横田さん夫妻が訪朝に慎重だったため、第三国で面会することとなった、という。(読売新聞)
02年小泉首相が電撃訪朝し、金正日総書記が拉致を認め『8人死亡、5人生存』と伝えられめぐみさんは『93年3月に自殺』とされ娘のキム・ウンギョン(ヘギョンは幼名)さんの存在が明らかになった。その年の10月拉致被害者5人が帰国、日本中が涙で歓迎した。
北朝鮮、ウンギョンさんも横田夫妻も北朝鮮での面会を望んでいたが安倍首相が北朝鮮と国交のあるモンゴル大統領と通じモンゴル迎賓舘での極秘面会となった。横田夫妻の感激は想像に絶するものと思う。しかもウンギョンさんの娘さん(ひ孫)にも会えたという。但しめぐみさんの夫とされる金英男キムヨンナムさんは同席しなかったという。
それは何故かと言うと「横田めぐみさんは生きている。」の記事で衝撃を与えた「タマちゃんの暇つぶし」さんの尊敬する飯山一郎先生によると「金英男という男は、めぐみさんを監視し警護するための諜報員で金正日の特殊諜報部隊の隊員だった。その「使命」が完了したので今回モンゴルに来なかったのは当然なのである。」と言うことらしい。
安倍首相は日韓両国との冷え込みや6者協議での日米との温度差に業を煮やし日朝交渉の進展にかけたのではと思う。
米韓は核・ミサイルを日本は拉致問題を重点項目としているからである。北朝鮮も経済では中国に援助されているが安全保障・軍事面では全面的な支援体制にはない。経済危機を打開しなければ中国の属国になりかねないのである。北はあくまで6者協議より日朝、米朝二国間協議を望み両国からの経済制裁の解除を期待しているのである。
朝鮮半島問題専門誌「コリア・レポート」編集長の辺真一(ピョン・ジンイル)さん(62)の見方によれば、「モンゴルの豊富な資源を北の海運で日本との貿易により経済復興を期待し、3国同盟を構築し米・中・韓を牽制しているのでは・・・」と穿った考えを披歴した。いささか飛躍した論理だとは思うが「窮鼠猫をかむ」ではないが一概に否定はできない面がある。
ただ過去の実情から見て経済援助は金王朝だけが横取りして一般国民には行き届かないという思いもあり、第三の将軍の金正恩第一書記の「国民への生活向上」の約束が成果を示す必要に迫られている。
日本への期待が高まるのは必然の状況なのだと思う。
ただ金正恩氏の指導力や権力基盤には日米韓の間では懐疑的であり、安倍氏と金正恩氏の思惑が果たしてどこまで真剣なのかをしばらく注目しなければならない。
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